わき多汗症・手掌多汗症
エクリン汗腺から出る汗の量が多いと多汗症になります
わき多汗症診断基準
- 症状の初発が25歳以下
- 左右対称性に発汗がある
- 睡眠中は発汗がとまっている
- 1週間に1回以上多汗の症状がある
- 家族歴がある
- 多汗により日常生活に支障がある
明らかな原因もなく過剰な発汗が6ヶ月以上続き、上記1~6のうち2項目以上に該当する場合。
わき多汗症の治療
エクロックゲルが2020年9月に、ラピフォートワイプが2022年5月に脇の多汗症の外用剤として厚生労働省より承認されました。エクロックゲルがアプリケータータイプで、アプリケータに薬液を塗布し脇に塗るタイプになり、薬液が脇以外に付着しにくくなっています。ラピフォートワイプが不織布に薬液が浸透している個包装タイプになります。持ち運びや旅行には便利かもしれませんが、使用後は副作用を予防するために必ず手を洗う必要があります。
交感神経がアセチルコリンという物質を放出し、それがエクリン汗腺にある受容体を刺激することにより汗が分泌されますが、その作用をブロックすることで汗を出にくくします。どちらの外用剤も抗コリン作用を有する薬なので、特にラピフォートワイプは直接薬剤が手に触れるので、使用後は必ず手を洗いましょう。
万が一手に薬液がついた状態で、目を触ってしまった場合は散瞳してしまいますので気を付けてください。
これらの抗コリン作用がある外用剤は前立腺肥大、排尿障害、緑内障の悪化が懸念されるため、これらの治療中の方には処方出来ません。また授乳婦、妊婦の方も処方注意となっております。
オンライン診療でも処方可能ですので、対面でのご相談が対面でお恥ずかしい場合はご利用ください。(*オンライン診療準備中)
手掌多汗症の治療
アポハイドローションが2023年6月に承認されました。寝る前に1日1回、手のひらに塗布する外用剤です。12歳以上が適応になります。発汗量が50%以上改善した方が約70%おられます。全くの改善が認められなかった方が約10%です。手汗がひどくて、手が繋げない、答案用紙やノートがびしょびしょになるなどでお困りの方は是非ご相談下さい。
毎日塗布するのが難しい方には、ボツリヌストキシン薬を脇に注射する方法もあります。4か月から半年毎の治療になります。自費治療となります。
1回 ¥33000