【ニキビじゃない顔のブツブツ=汗管腫?】なぜ起こる?シミより厄介な理由は? 連日相談を受ける形成外科医が解説します
院長の谷川です。
最近、当院では患者様から
「先生、顔にできたブツブツが…」
といった形でご相談を頂くことが非常に増えています(ほぼ毎日ご相談や受診の方がお見えになります)。
シミというよりも「ブツブツ」を心配されて来院される方が多い印象です。
シミであれば隠せるものの、ブツブツは塗ると余計に目立つということで気になる方が多いようです。
その中で多いのが
「汗管腫(かんかんしゅ)」。
顔のブツブツは実は、汗管腫だけが原因とは限りません。
特におおむね45歳~50歳以上の方で「ブツブツが…」というケースでは汗管腫以外の原因が隠れていることもあるわけです。
今回は顔のブツブツ(ボツボツ)について、汗管腫以外にどんなものがあるのか?について解説してみます。
【汗管腫?】「顔のブツブツ」のご相談が増えています
顔のブツブツについてお困りの方が多いのですが、そのうち目の周りにできるブツブツについては「汗管腫」であることも多いです。
とはいえその他の理由・原因もあります。
当院は汗管腫を含めて「顔のブツブツ」のご相談が増加中
冒頭でも触れましたが、患者様の多くは
「顔のブツブツをどないかしてほしい…」
と思われて当院に相談されるケースが多いです。
汗管腫は「汗の管の腫」と書くくらいですから、やはり(汗をかきやすい)夏に目立つケースもあります。
確かに汗管腫が原因のケースも多いのですが、実際には後で解説するとおり、複数の原因が隠れているケースも多いことからしっかりした診断が必要です。
1つだけじゃない…顔にワーっと出るケースが多い
顔のブツブツは、1種類だけがポツンとできるケースはむしろ稀です。
多くの患者様は、目の周りやTゾーンなどに複数種類のブツブツが混在して「ワーっと広がっている」状態でお悩みです。特に50歳前後になると、その傾向は顕著になります。
他院で汗管腫の可能性を指摘されてから来院される方も多い
他のクリニックで「これは汗管腫ですね」と診断されたうえで当院にご相談に来られる方も少なくありません。
汗管腫の治療は可能ですが、まずは本当に汗管腫なのか、他のブツブツは混ざっていないのかを正確に見極める必要があります。
顔のブツブツ=シミより厄介!?患者さんが感じる問題点は?
実は顔のブツブツというのは、シミよりも厄介と感じる患者様が多い印象です。実際にお聞きした問題点を解説します。
シミと違って隠しづらい
シミであれば、コンシーラーやファンデーションである程度隠すこともできます。
しかし、顔のブツブツとなると話が変わってきます。
というのも、シミは平面で凹凸がないことに対してブツブツは物理的に皮膚が盛り上がっているため、なかなか隠しきれません。
塗ると余計に目立つ
加えてやっかいなことに、ファンデーションなどを塗ると、かえってブツブツの凹凸が際立ってしまい、余計に目立ってしまうことがあります。
メイクをするたびに気分が落ち込んでしまう、という方もいらっしゃいます。
【結論】「どうにかしてほしい」の声が多いです
- ◆隠しづらい
- ◆メイクで悪目立ちする
このような理由から、患者様からは
「鏡を見るたびに気になる」
「先生、ここどないかしてほしいです…」
という切実な声を数多くいただきます。顔のブツブツは、シミ以上に患者様のQOL(生活の質)を下げてしまう厄介な存在と言えるかもしれません。
顔のブツブツ…汗管腫以外にありうるものを形成外科医が解説
顔にできるブツブツには様々な種類があります。代表的なものを5つ、特徴を交えつつご紹介します。
汗管腫(かんかんしゅ)
まず当院での治療が多い「汗管腫」。
目の周りによくできる、皮膚の色に近い小さな盛り上がりです。
汗を出す管(汗管)が増殖したもので、特に夏場に汗をかくと目立ちやすくなる傾向があります。
稗粒腫(はいりゅうしゅ/ひりゅうしゅ)
続いて「稗粒腫(はいりゅうしゅ・ひりゅうしゅ とも)」。
これはよ~く見てみるとポコっとなっていてちょっと白っぽく、ニキビのようにも見える小さなブツブツです。
治療方法ですが、これは中に白い垢のようなものが溜まっているだけですから、ちょっと穴を空けてキュって絞ってあげると、そこは治ります。(※クリニックでの治療が前提です)
脂腺増殖症(しせんぞうしょくしょう)
脂腺増殖症が混ざっている方も多いです。
特徴としては、よ~く光を当てて拡大して見るとわかるのですが、ツルンと丸いわけではなく、一つずつがモコモコっとしている特徴があります。
皮脂を出す腺(脂腺)が(何度も言いますが)モコモコモコ~っと増殖して皮膚に出てきているもので、大きいものについてはよく見ると「なり損ないのカリフラワー」のように見えます。
いわゆるTゾーンに出来ることが多く、治療法は
- 削る
- 針を刺して高周波を流して治療する(※当院ではポテンツァにて治療)
の2つで、削るリスクとしては脂の線の部分まで削る必要があり、ここを浅く削ってしまうと再発するリスクがあります。
したがって深めに削っていくことになるわけです。そのため治ったときに凹んで治ってしまうケースもあります。
※凹んでしまった場合でもそれをまた治療できる方法もあります。
当院としては、患者様と相談してどちらの方法を取るか治療方針を決めていくこととしています。
脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)
いわゆる「年齢性のイボ」です。
でき始めの頃は肌色でザラザラしていますが、徐々に黒っぽく盛り上がってくることが多いです。
多発する方もまた多く、これを放っておくとどんどん黒くなっていき、シミが盛り上がったような形になるケースもあります。
これについては患者様からお話をお聞きする限り
「先生、親がこういうのできてました」
とお聞きするケースもあることから、遺伝的な要因も関係するのではないかなと思います。
年齢がご高齢になってくると、できやすいといった側面もあります。
治療法としては色が着いてきた場合はレーザーで取れますが、色が着いていない場合は削る形となります。
こちらは表面だけの話となりますので、凹むような心配もほとんどなく、脂腺増殖症ほどは削る必要もありませんので、結構比較的早く綺麗に治ります。
扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)
これは厄介なものなので、かつ保険治療の範囲になるのですが、「扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)」もあります。
ウイルスが原因でできるイボです。何が厄介かというと、ウイルス性ということですから、感染するということです。
皮膚の細かい傷からウイルスが入り込んで感染し、イボとして広がっていきます。
男性の場合、髭剃りによって毎日皮膚に傷を付けているようなものですから、顎のラインに多発することもあります。(治療も結構大変…ということもあります)
この場合は保険治療に準じて
- 液体窒素
- 削る(数が多い場合)
- 漢方薬
といった治療を行うことになります。
汗管腫の治療だけじゃダメ!?大切なのは「正しい診断&ひっくるめた治療」です
ここまでをまとめると
- ブツブツが出ている
- ボコッと出ている
- 多発している
といった部分で悩まれている方は、おおよそ上記5つのケースが多く、当院ではこれらの診断のうえ、準じて治療しています。
そのため「汗管腫」で来院されていても実は汗管腫だけではなく、色々なものが混じっているケースがあるいうわけです。
特に50歳前後になると、やはりこうしたケースの割合が多くなっていきます。
当院ではこのあたりについて一緒に(包括的に)治療しています。
ポイント①まずは適切な診断と判断が大切です
当院では
- 50ショット
- 100ショット
- 150ショット
- 200ショット
この範囲内で例えばポテンツァがありますが、針を刺して高周波を流すだけではなく、脂漏性角化症であれば削る治療も出てくるわけです。
当院では例えば50ショットの範囲内で、この治療も一緒にさせて頂いています。
ポイント②ボツボツ=複数の種類が混在しているケースが多いです
汗管腫だけ(=一部だけ)治療しても見た目が良くならないわけで、患者様ご本人様はブツブツがあり、他のものも混ざっていることにお悩みなわけです。
そうなると、他のブツブツが残っていては、お顔全体の印象はなかなか改善されません。
ポイント③だからこそ「ひっくるめた治療」が重要です
当院では、一つ一つのブツブツを正しく診断した上で、それらをまとめて「ひっくるめて」治療することが大切だと考えています。
そこで当院では繰り返しになりますが、様々な種類のブツブツを一度に治療する方針を取っています。
顔のブツブツの治療に関するよくある質問
顔のブツブツの治療に関するよくある質問について解説します。
治療回数はどのくらいかかりますか?
一概には言えません。やはりブツブツの種類、数、大きさ、そして治療法によって大きく異なるからです。
そのうえで例えば脾粒腫であれば取ってしまえば再発しませんので1回で治りますし、同様に脂漏性角化症も削れば治ります。
そうしたものもあれば、例えば汗管腫は一回の治療では小さくなるだけです。
これはどうしても何回か治療していく必要があります。(※基本的に2ヶ月に1度の治療なので、トータルで1年スパンになることもあります)
厄介なのは先ほどご紹介した「疣贅(ウイルス性のイボ)」については感染があります。治療しても治療しても感染(うつ)っていきますので半年~それ以上かかる方もいらっしゃいます。
当院では上記を踏まえて「1回で治るケースもありますし、複数回の治療が必要なケースもあります」というご回答をしています。
再発の可能性はどのくらいですか?
例えば脾粒腫、扁平疣贅はウイルス性のため、どうしても再発の可能性があります。
なお汗管腫はだんだん目立たなくなってそのまま…という方もいらっしゃいますが、例えば妊娠出産を契機に「もう一回目立ってきたから…(治療したい)」という方もいらっしゃいます。
レチノール&ピーリングも重要ですか?
重要なのはもちろん「再発を防ぐ(新たなブツブツをできにくくする)」ことです。間違いないと思います。
そのためには、肌のターンオーバー(新陳代謝)を上げていくことが大切だと考えています。
なぜなら…
(想像してみて頂きたいのですが)赤ちゃんの肌って、ツルンツルンですよね。
これが年を取ってくると肌もやはりシワにもなりますし、色も冴えなくなってきます。
ターンオーバー(皮膚の新陳代謝・再生)が悪くなってきている事などが理由です。
ちなみに皮膚は毎日生まれ変わることができます。
基底細胞(きていさいぼう)という細胞層があるのですが、そこで
①毎日新しい細胞を作り
②古い細胞を上に上げていき
③最後は垢となって取れる
という繰り返しをしているわけです。
これが赤ちゃんだとおよそ28日でターンオーバーできますが、年を取っていくと50日、60日、あるいはそれ以上かかるというケースもあります。
こうなると「そら色んなものが出てくるよね」という話になります。
ところで、この肌のターンオーバーを唯一よくできるものがあります。
何だと思いますか?
・・・。
答え。
「ビタミンA」です。
いわゆる「レチノール」ですね。
ビタミンAが肌の代謝を上げてくれます。
人為的にビタミンAに似せて作ったものがよくニキビ治療薬に使われるのですが、これはやはり肌への負担も大きいです。
しかし天然のビタミンAが入った基礎化粧品をずっと長く使い続けることによって、こうしたものが出来づらくなるということです。
こうした製品を10年~15年使い続けておられる方と個人的にお知り合いなのですが、やはりお肌も綺麗です。
特に日本人はリノール酸のレチノールがとても肌に合っており美白効果もありますので、リノール酸のレチノールが含まれた製品を使っていただくとより宜しいと思います。
※当院では「らうたげ」という化粧品をおすすめしています。
また、「ピーリング」も良いですね。
いわゆる「科学的に剥ぐ」という意味合いですので、ゆるくピーリング剤を入れておいて頂けると余分な角質は早く取れますので、やはり身体は新しい角質を作ろうとしてくれます。
- ターンオーバーを上げてくれるのはレチノール・ビタミンA。
- 余分な角質を早く取り、早く綺麗な細胞を上げてあげるのがピーリング。
といったイメージです。
むかし総合病院で働いていたころ、私は形成外科だったのですが…その当時定年間近の皮膚科の大先輩の先生が…
ものすごいお肌が綺麗だったんです。
「先生何してるんですか」とお伺いしたところ・・・
「サリチル酸ワセリン塗ってるだけ」。
サリチル酸はピーリング剤に使うものですが、毎日それを使ってピール(剥ぐ)しているだけ、ということなんですね。
そこから早くターンオーバーを上げていく、ということです。
結論としてはブツブツの「ブツ」を取る治療をするなら
- ピーリング
- ビタミンAを入れる
も宜しいと思います。
まとめ
顔のブツブツには、汗管腫、稗粒腫、脂腺増殖症など様々な種類があり、それらが混在しているケースがほとんど。
メイクで隠しにくく、多くの方が悩んでいます。
大切なのは
①専門医による「正しい診断」
②複数のブツブツをまとめて治療する「ひっくるめた治療」
③レチノールやピーリングによる「再発予防ケア」
です。
当院では、患者様のお悩みに寄り添い、最適な治療法をご提案いたします。顔のブツブツでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
